ワークビーズ・プロテインA (WorkBeads™ Protein A)

ワークビーズ・プロテインAは、モノクローナル抗体及びポリクロ―ナル抗体の精製用に開発された新しいアフィニティ樹脂です。

樹脂の詳細

ワークビーズ・プロテインAアフィニティ樹脂の担体は、優れた架橋技術によって加工された多孔性で空隙率が高く、物理的に安定したアガロース樹脂です。アガロース樹脂はバイオテクノロジーの研究及び、タンパク質などのプロセス・スケールにおける分離精製などにおいても、長年の実績があります。アガロースは天然高分子( 例:タンパク質、DNA、炭水化物)との適合性に、優れていることが証明されています。材質は親水性が高いアガロースによって、非特異的吸着が非常に少ないです。

樹脂に固定化されている組み換えプロテインAは、メディカーゴ(Medicago)社によって大腸菌に発現させ、動物由来物質が一切含有されてない培養条件下で開発されたもので、固定化前には高純度に精製されています。この組み換えプロテインAは樹脂に固定化する際に、その方向性を容易に調整できるように開発されました。このことにより非常に高い吸着量を可能にしました。この組み換えプロテインAがもつIgGのFc部位に対する特異性が、非常に優れた精製方法を提供しています。この組み換えプロテインAは、各バッチごとに厳しい品質管理下で検査しています。

プロテインAリガンドはブロモヒドリン法で樹脂に固定化されていますので、化学的に安定しており、リガンドの漏れが少なくなっています。高い吸着量、化学的安定性、確立されたアガロース樹脂が、ワークビーズ・プロテインAを モノクローナル抗体及びポリクロ―ナル抗体の精製において、理想的なアフィニティ樹脂にしています。ラボスケールでの簡便な抗体精製用に、ベービー・バイオA (BabyBio A) 1mL充填カラム及び、ベービー・バイオA 5mL充填カラムを取り揃えています。

アプリケーション

ワークビーズ・プロテインAによるモノクローナル抗体精製

図1. (A) Purification of a monoclonal IgG from CHO cell supernatant
(B) Analysis of the purified MAb by SEC and SDS-PAGE (1. Sample, 2.
Purified MAb, 3. MW markers; 250, 150,100, 75,50, 37, 25, 21, 6.9 kD)

 

高い吸着量

組み替えプロテインAは樹脂に固定化する際に、その方向性を調整して複数個所で固定化されています。この固定化されたプロテインAの高い使用率は、高いIgG吸着量を可能にしました。ワークビーズ・プロテインAの動的吸着量は、一般的な条件下 (PBS、pH7.4、3分間の接触時間)で、通常 >40mg IgG/mL樹脂となります。図2.では接触時間を4分間と6分間に延ばしてみましたが、動的吸着量は増えませんでした。このことから接触時間が3分間で吸着量が飽和状態となり、全体的吸着量は 45mg IgG/mLに近づきます。

図2. Dependency of the dynamic binding capacity on residence time. Frontal analysis using 1mg/mL human normal serum IgG was performed in a 100×6.6 mm glass column (from Diba, Cambridge, UK) in the presence of PBS, pH7.4.

少ないリガンドの漏れ

複数個所で樹脂に固定化されているプロテインAは、リガンドの漏れを減少させました。このことによりワークビーズ・プロテインA樹脂からのプロテインAの漏れは、市場で販売されている他社のプロテインA樹脂と比較して、同等かより少ないです。

ラボ・スケールでの精製

研究室における少量の抗体精製には、ワークビーズ・プロテインAが充填された、ベービー・バイオA 1mL充填カラム (>30mg IgG吸着量)及び、べービー・バイオ 5mL 充填カラム (>150mg IgG 吸着量)をお勧めします。

プロセス・デベロップメント

最適な分離方法での最初の目的は、最適な吸着条件と溶出条件を見つけることです。IgGのプロテインAに対する親和性は、どの種から由来しているIgGかと、どのサブクラスかで異なります。そしてIgGの個体差間でも異なります。通常の吸着条件は、低い塩濃度のバッファーで、中性 pHとなります。弱く吸着した抗体の効率的な回収には、時には吸着バッファーのpHまたは塩濃度を上げたり、もしくは両方を上げたりすることが必要となります。これは例えばマウスIgGの吸着条件では一般的です。溶出は種とサブクラスによって異なりますが、通常pH2.7付近まで下げて行います。IgGの変性を避けるためには、溶出時において必要以上にpHを下げないようにします。バイオ医薬品製造工程において、ワークビーズ・プロテインAの使用後に、最後の磨き工程として、漏れてきた微量のプロテインA及び、培養液中の不純物質などを除去するために、例えばイオン交換体クロマトグラフィ工程などを加えたりします。ラボ・スケールで最適化した抗体精製条件を、プロセス・スケールでも線速及び、サンプルとベッド・ボリュームの比率を同じにしながら、カラム径を大きくします。

定置洗浄 (CIP: Cleaning In Place)

ワークビーズ・プロテインAを複数回、繰り返して使用するためには、まず使用したカラム及び樹脂を、100mM 1-チオグリセロール、pH8.5で15分間保存し、次に15mM NaOHで15分間保存して下さい。ラボスケールでの定置洗浄には、6M塩酸グア二ジンか6M尿素で、1時間もしくは一晩保存して下さい。低いpHでの長時間保存は避けて下さい。疎水的に吸着した物質の除去には、非イオン性洗剤で洗浄後、20%エタノールを使用して下さい。

アルカリでの安定性

動的吸着量の安定性はベービー・バイオA 1mL充填カラムを用いて、フロント分析での10%ブレークスルー (QB10)をチェックするために、1mg/mL IgG含有 PBS、pH7.4を使用して、定置洗浄方法として100mM 1-チオグリセロール、pH8.5で15分間保存し、次に15mM NaOHで15分間保存、もしくは100mM NaOH洗浄の工程を、複数回繰り返して図3.を作成しました。

図3. Alkaline stability of WorkBeads Protein A

樹脂の仕様

樹脂名: ワークビーズ・プロテインA
対象物質: 抗体 (IgG)、Fc部位に結合
担体: 頑強な架橋アガロース
リガンド: 動物由来物質が皆無の培地で、大腸菌に発現させた組み換えプロテインA
固定化法: ブロモヒドリン法
動的吸着量 (DBC: Dynamic Binding Capacity)1: >40mg ヒトIgG/mL樹脂
推奨する流速2: 250cm/hour
最大流速3: 500cm/hour
耐薬品性: 総ての一般的な水溶性バッファー、10mM塩酸 (pH2)、10mM NaOH (pH12)、0.1M くえん酸ナトリウム塩酸 (pH3)、6M塩酸グア二ジン、20%エタノール、ただし低いpHでの長時間保存は避けて下さい。
推奨する使用pH範囲: pH3〜pH10 (短時間) pH2〜pH12 (洗浄時) 保存: 20%エタノール、2〜8ºC

1.DBC was determined at 10% breakthrough (QB10) by frontal analysis with 1mg/mL human serum IgG in PBS, pH7.4 at 240cm/hour in a column with a WorkBeads Protein A bed of 100×6mm (=2.5 minutes residence time).
2.At 20ºC using aqueous buffers
3.At 20ºC using aqueous buffers in 300×10mm column bed. Decrease the maximum flow if the liquid has a higher viscosity. Higher viscosities can be caused by low temperature (use maximum flow/2 at 4ºC), or by additives (e.g., use maximum flow/2 for 20% ethanol). For large columns a lower maximum flow should be applied.

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