アミノ酸分析は、ペプチド/タンパク質の解析及び分析で、利用される基本的な手段です。エドマン分解がプロテイン・シーケンサーを利用しての、ペプチド/タンパク質のアミノ酸配列(一次構造)の解析をするのに対して、全量加水分解をしたペプチド/タンパク質を、PLRP-S 100Åカラムで分析することによって、アミノ酸組成を決定することができます。プレ・カラム誘導体化法によって、ピコモル以下のレベルでも、逆相HPLCで検出できる感度となりました。
PLRP-S 300Åカラムに吸着していて、溶出してくるペプチドの順番は、シリカ系逆相カラムと同じです。
PLRP-Sポリマーゲルは、イオンペア試薬のTFA濃度が低くても、左右対称のピーク形状が得られます。これは通常シリカ担体の逆相カラムですと、ピーク・テーリングの原因となるシラノール基をTFA試薬で覆いますが、PLRP-Sポリマーゲルではシラノール基が樹脂表面に存在しませんので、TFA濃度が低くても影響がありません。TFA試薬は質量分析装置において、感度を抑制してしまいますので、低濃度TFAでも分析ができるPLRP-Sカラムは、LC/MSに最適です。
ペプチドは、酸性や塩基性の交換基を側鎖に持つアミノ酸残基で構成されている、複雑な高分子で、このことにより異なる等電点を持ちます。アンジオテンシンIIとIIIの違いは、アスパラギン酸が一個あるか無いかだけで、他のアミノ酸配列は全く同じペプチド・ホルモンです。ここではアンジオテンシンI、II、IIIの分離を、PLRPS100Åカラムを使用して、酸性側pHにおいてはTFA濃度を調整し、塩基性側pHにおいてはアンモニア水濃度を調整して分析しました。
高理論段数を持つPLRP-Sポリマーゲル3µm粒径樹脂は、5µm粒径樹脂と比較しますと、同じ分析時間でより一層の高分離能が得られます。もしくは,同じ高分離能がより短い分析時間で得られます。ここで紹介されている電子顕微鏡写真では、他社の3µm粒径のポリマー樹脂と比較しましても、PLRP-S 100Å 3µm樹脂は粒径が揃っており、安定したカラム充填ができます。
写真1. Optical Microscopy(×100)illustating Particle size Distributions
PLRP-S
100A 3µm
Competitor's Polymeric 3µm
ペプチドの分析/分取において、通常使用される PLRP-S 100Å ポリマーゲルは、この樹脂の特性である小さい孔径と大きな表面積から、ワイドポア(300Åなど)の樹脂と比較しますと、高い吸着量が得られます。そして PLRP-S 100Å 3µm粒径は、非常に高い理論段数が得られますので、従来からある5µm 粒径と比較しますと、同等の分析時間で、より高分離能が要求されるアプリケーションなどに最適です。
PLRP-S 100Å 3µm粒径は、合成ペプチドの高速スクリーニングなどの用途で、従来からある5µm粒径と比較しますと、同等の分離能で、分析時間の短縮が要求されるアプリケーションなどに最適です。