ポリハイドロキシエチル ATM(PolyHYDROXYETHYL AspartamideTM)
シリカ系ゲル濾過HPLCカラム

ポリハイドロキシエチルAカラムは、ポリエルシー社が親水クロマトグラフィ用として、特別に開発した中性で親水性の担体ですが、この担体を有機溶媒濃度が30%以下の移動相で使用すると、ペプチドやその他低分子量物質がゲル濾過分離モードとして利用できます。しかも移動相溶媒を単に変えるだけで、二つの異なる分子量分画範囲で使用することができます(下図22.参照)。
通常の塩バッファー系の移動相で、ポリハイドロキシエチルAカラムを使用しますと、分子量分画範囲は充填されている樹脂の孔径によって決定されます。その際ポリペプチドに対する非特異的吸着は、他社のゲル濾過カラムと比較して低いです。
一方、変性溶媒(例、50mMぎ酸及び、HFIPなど)を含有する移動相で、ポリハイドロキシエチルAカラムを使用しますと、シリカゲルに被覆してあるポリペプチドのペプチド鎖間の水素結合が可逆的に切れ、このペプチド鎖とペプチド鎖の間で、分子ふるいが行われるようになります(下図21.参照)。

このことにより、分子量分画範囲が極端に低分子量側へシフトします。したがって、ぎ酸のような低分子量物質(46ダルトン)もサイズで分離することが可能です。加えて、ぎ酸を移動相として使用すると、揮発性ですので直接オンラインで質量分析装置へ負荷することができます。
ポリハイドロキシエチルA 60Å孔径カラムを50mMぎ酸の移動相で使用しますと、分子量分画範囲が20〜600ダルトンとなります。この分画範囲は従来のゲル濾過カラムでは不可能な分離範囲です。このことにより、従来ではできなかったジペプチド(二量体)サンプルからの脱塩や、目的低分子量物質を余剰に残存していて、目的物質よりも小さい誘導体反応試薬などから分離することができます。

応用例
  1. 酵素及びその他ペプチド/タンパク質で頻繁にゲル濾過モードを使用する場合

  2. ポリペプチドで、他社のゲル濾過カラムを使用の際、非特異的吸着が強く回収率が低い場合

  3. 最小ペプチドとその他溶解物などで、分子量の違いで分離が必要な場合

  4. ゲル濾過カラムで、揮発性移動相を使用して、質量分析装置へオンラインで負荷が必要な場合

  5. ポリマーサンプル中に残存するモノマーの分析

  6. 脱塩や、目的低分子量物質を、余剰に残存していて、目的物質よりも小さい誘導体反応試薬などから分離

  7. ペプチドマッピングで、逆相HPLCカラムの前後に使用

頻繁にゲル濾過モードでポリハイドロキエチルチルAカラムを使用する場合は、分離能に優れる9.4mm内径で200mm長さのカラム(流速:0.5ml/min)をお勧めします。小さい4.6mm内径のカラムを使用する場合は、厳密な0.12ml/minの低流速をお勧めします。

ゲル濾過分離モードによる分子量分画範囲(ダルトン)

       
充填剤孔径   変性溶媒移動相
(50mMぎ酸)
通常移動相
(りん酸/硫酸バッファー)

60Å    40-600 40-N.D.
200Å  

 40-1,600

200-25,000
300Å    40-40,000 300-100,000
500Å    40-150,000 400-300,000
1000Å    40-1,000,000 1,000-2,000,000

 

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