ポリプロピルATM(PolyPROPYL AspartamideTM)

シリカ系疎水クロマトグラフィHPLCカラム(ペプチド/タンパク質)

ポリエチルATM(PolyETHYL AspartamideTM)

ポリメチルATM(PolyMETHYL AspartamideTM)

疎水クロマトグラフィ[Hydrophobic Interaction Chromatography(HIC)]は逆相分配クロマトグラフィと同様に、ペプチド/タンパク質の疎水性を利用して分離するクロマトグラフィ分離モードです。
しかし疎水クロマトグラフィが逆相分配クロマトグラフィと大きく違う点は、疎水クロマトグラフィでは100%水系/バッファーなどの移動相溶媒を使用するため、ペプチド/タンパク質などの三次元構造や生理活性をそこなうことがありません。疎水クロマトグラフィカラムの典型的な使用方法としては、負荷するサンプルを高濃度の硫酸塩、クエン酸塩、りん酸塩などを混合したバッファーに、りん酸カリウムなどでpHを調整した移動相溶媒に溶かして注入します。この後、塩濃度を下げていく勾配で、グラジエントをかけると、タンパク質の立体構造表面における疎水性の小さい順から溶出していきます。
疎水クロマトグラフィカラムのタンパク質吸着量は、イオン交換体クロマトグラフィカラムの吸着量とほとんど同等です。
通常、タンパク質の三次元構造が安定している時は、シャープなピークが得られますが、もし三次元構造が不安定な時は、ピークがブロード(幅広)になってしまいます。疎水クロマトグラフィの疎水性の度合はポリプロピルAカラムを100%とすると、ポリエチルAカラムは60%で、ポリメチルAカラムは15%となります。通常のタンパク質の疎水クロマトグラフィ分離モードによる分離では、ポリプロピルAカラムが一般的ですが、疎水性成分付加の免疫グロブリンや膜由来タンパク質などには、ポリメチルAカラムが最適です。

また疎水クロマトグラフィは、モノクローナル抗体などの精製で、通常のイオン交換体クロマトグラフィよりも効率が良く精製できます。使用するカラムは、抗体の種類によって異なってきますが、通常ポリプロピルAカラムかポリエチルAカラムが使用されます。
他には糖タンパク質や毒液中に含有される糖タンパク質などの分離に最適で、通常、これらのタンパク質の分離では、 疎水クロマトグラフィ分離モードの方が、逆相分配クロマトグラフィ分離モードよりも、高い分離能が得られます(下図28.参照)。
疎水性の高い膜由来タンパク質などは、逆相分配クロマトグラフィの担体に非可逆的に吸着してしまい、溶出できなくなることがありますが、疎水クロマトグラフィでは問題ありません。しかし、もし溶出しない際には、界面活性剤(例:CHAPS、オクチルグルコシド)を移動相溶媒に添加すると、タンパク質の生理活性を損なわずに溶出することができます。下図29.は、正常な二個のジスルフィド結合をもつ組替えヒト成長ホルモンと、そのバリアントである三個のジスルフィド結合をもつペプチドを、分離した例です。

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